ホワイトニング
歯の色を治す治療
歯自体の色を白くしたい場合はホワイトニングが,歯の白い斑点を消したい場合は低粘性レジン浸潤法が適応となります.それぞれに対して解説しますので,詳しく知りたい方はご参照ください.
ホワイトニング
歯の色が気になる場合、ホワイトニングを行うことでお悩みを解決できることがあります.ホワイトニングとは、薬を用いて歯の内部の色素を分解し、色を白くする方法です.
ホワイトニングの実際
診査
まずはお口の中の診査を行います.シェードガイドと呼ばれる色見本や写真を用いて,客観的な判断を行います.変色の原因がむし歯や詰め物の劣化の場合は治療を行うことで改善できる場合があります.
また、着色がある場合は研磨を行うことで元々の歯の色に戻すことができるため、それだけでお悩みが解決する場合も多くあります.上記の対応ののちに,さらに歯を白くしたい場合はホワイトニングが適応となります.
ホームホワイトニング
カスタムメイドのホワイトニング用マウスピースを用いて、患者さんご自身に自宅で行なっていただく方法です.1日に2時間程度、2週間かけて徐々に歯を白くする方法です.
オフィスホワイトニング
歯科医院で高濃度の薬液を用いて歯を白くする方法です.歯肉に薬液が触れないように,詰め物を用いて保護した上で漂白作用のある薬剤を作用させます.所要時間は1回1時間程度です.ホームホワイトニングと比較して、少ない回数で歯を白くすることができます.
デュアルホワイトニング
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを組み合わせた方法です.オフィスホワイトニングを行った後に、ホームホワイトニングを行いさらに歯を白くします.
注意事項
未治療のむし歯がある状態や、歯周病で歯肉が下がり過ぎている場合は適応できない場合があります.
ホワイトニング直後は再度着色がつきやすいため、1ヶ月程度はワインやコーヒーなどの着色のつきやすい食品は控えていただく必要があります.
ホワイトスポットの治療:低粘性レジン浸潤法
ホワイトスポットとは,歯の石灰化不全や脱灰によりエナメル質が柔らかくなり,光の反射の仕方が変化することで白い斑点が見えるようになった状態です.昔は削って詰め物をすることで治すしかなかったため,審美的に気になっていても経過観察とされていることが多いです.現代では低粘性レジン浸潤法という方法を用いることで,歯を削らずにホワイトスポットを目立たなくすることが可能となっております.新しい治療のため,まだ現状は全ての歯科医院で一般的に用いられる方法ではないようです.
ホワイトスポットの治療方法
用いる材料
ICONという光重合型レジンを用います.北欧で古くからフッ素やシーラントと同様にむし歯の予防に使われてきた材料です.歯に染み込ませる詰め物のような材料で,副次的な効果としてホワイトスポットが目立たなくなることから注目を浴び,近年では審美障害に対する治療方法としても活用されるようになってきました.
特徴としては歯を削らずに済むこと,またむし歯の予防に使われてきた材料なので,歯に対する侵襲が限りなく少ないことが挙げられます.
治療手順
削る必要がないため,麻酔も必要ありません.
ラバーダム防湿を行い,ホワイトスポットを治したい歯を露出させます.
表面処理を行い,ICONが浸潤しやすくしていきます.
ICONを浸潤させ,光照射を行うことで硬化させます.この後,表面の研磨を行い終了します.
2週間ほど経過すると口の中の水分を吸い,より色がなじみ目立たなくなってきます.
注意事項
術後にホワイトニングを行う可能性がある場合は効果が下がる可能性があるため,先に行っておくほうが効率よく審美性を改善できます.
歯の色や見た目でお悩みの場合,状態によっては短期間で改善できる場合があります.
詳しく知りたい方は一度ご相談いただければと思います.